子どもの頃、幼なじみで踊り手の春臣に「お前の踊りなんか嫌いだ」と言ってしまったことをずっと後悔していた。昭和十六年、青年となった颯太朗は、あの時のことを謝ろうと春臣を訪ねる。しかし、春臣はそんな颯太朗を頑なに避けるのだった。それにはある理由が…。好きな人と結ばれることが難しかった時代。必死に恋心を隠す、幼なじみの再会物語。
「まことしやかに舞う花は(5話)」のネタバレと感想
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好きな人を諦める、それが当たり前の時代
せっかく昔のわだかまりが溶けて春臣も素直になってくれたのに、颯太朗は伯爵令嬢との婚約が内定してしまいました。でも颯太朗も春臣も現実を受け入れてなお、前向きに生きようとしています。
好きな人と結ばれることが現代よりもむずかしかった時代の、「諦めと生きていく」昭和の人の姿です。友達のままでも近くに居られるなら幸せだと自分を納得させるんだろうなぁ…。同性同士だからなおさらのこと。
それでもやはり、颯太朗は婚約者より春臣のことを気にかけてしまっているし、春臣も颯太朗のために踊ることが幸せだと感じています。こういう行動を本人たちは「些細なこと」と捉えていますが、実際のところその場だけの感情ではなく、積もり積もってしまうものです…。颯太朗はきっと春臣のことだけを考えるようになってしまうし、春臣も颯太朗がいなければ踊る意味がわからなくなってしまうでしょう…。
好きだけど結ばれない、だけど近くに居られるというのが一番ダメなのよー。絶対不倫する。
颯太朗の婚約者だって、すでに颯太朗に不満を抱いています。
空襲が激化
連日警報が鳴り続けている中、踊りの練習をしていた春臣は、空襲にあってしまいます。運良く逃れることができましたが、颯太朗からもらったあの大切な簪を落としてしまったことに気がつきました。
なんとか家に戻り簪を見つけましたが、もうそこは火の海でした。逃げられません。
「好きだと言っておけば良かった」
ほんまそれな!!!
現代でもそれは同じよ!?人間誰しもいつ死ぬかなんてわからないですからね。伝えておきたい気持ちは伝えないと…。
そこへ婚約者の制止を聞かずに駆けつけた颯太朗が…。やるやん颯太朗。来てくれて良かったよ。
そしてその後ろには婚約者が…。なんで来たの!?普通に危ないし、いくら颯太朗のことが心配でもやめといて😣
もう破綻ですよこれは。目の前で幼馴染と抱き合う颯太朗ですもの。目の前で見てしまうとダメでしょ。だからわかってても見に行っちゃダメなんですよ。親の決めた結婚で、しかも颯太朗は乗り気ではなかったのだから、ある程度颯太朗のことは放っておかないと破綻してしまいますよ。
颯太朗も颯太朗で、こんな中途半端にしかできないなら保身のためだけに婚約するべきではなかったよね。婚約するならもう少し覚悟決めないと。気持ちがある時点で「大切な幼馴染が心配」なんて理由は通用しないのだから。あー身勝手。
春臣を助けてくれたのは良かったけど、関係ない人(婚約者)の人生を巻き込んで振り回したのはやっぱり良くない。
赤紙が届く…
昭和20年、空襲が激化し家も家財も失った春臣は田舎の方へと移りました。
昭和…20年!? 春臣と颯太朗が再開してから4年も経ったんだ〜。
あの空襲の後、颯太朗は婚約破談となりました。そして颯太朗に赤紙が届きました。
このあたりの仕組みがよくわかっていないのだけど、伯爵家と結婚すると徴兵されないのかな?それがなくなったから徴兵されてしまったってことですよね。あと、お偉いさんの息子とかが徴兵される場合は、はじめから地位の高い役職を与えられるとかもありそうですよね。
本当に嫌な時代です…。
颯太朗に赤紙が届いたことを知った春臣は、颯太朗の元へと駆けつけます。
涙の再会、そして別れの前の告白…。うぅ😢戦争が憎い😭
戦争で被害者になるのはいつも一般人です。そして戦争をしたがるのはいつも権力者です。一般人は誰も戦争なんてしたくないのに、国が決めたことに逆らえません。戦争をしたがる人ほど絶対に最前線には行かないですからね。ほんと腹たつ。
「まことしやかに舞う花は(5話)」の全体の感想
戦争の憎さ
未来への希望
春臣に幸せになってほしいという気持ち
はぁぁ〜〜〜…ついに颯太朗に赤紙がきてしまいました。(春臣には来ないの?)この二人は本当に時代に翻弄された人生でしたね…。
お互いに気持ちを伝えることを憚られ、別の人と人生を歩むのが当たり前かのように選択し、そして戦争によっても引き裂かれる…。学園ものの絶対に結ばれる系BLも好きですが、こういう結ばれるまでにいくつもの障害があるBLも好き…。
ぐぅ…だけどつらい(◞‸◟)
次が最終話となります。どうか颯太朗よ無事で。そして春臣と幸せに暮らせますように。
では、「まことしやかに舞う花は 6話」でお会いしましょう♬