子どもの頃、幼なじみで踊り手の春臣に「お前の踊りなんか嫌いだ」と言ってしまったことをずっと後悔していた。昭和十六年、青年となった颯太朗は、あの時のことを謝ろうと春臣を訪ねる。しかし、春臣はそんな颯太朗を頑なに避けるのだった。それにはある理由が…。好きな人と結ばれることが難しかった時代。必死に恋心を隠す、幼なじみの再会物語。
「まことしやかに舞う花は(3話)」のネタバレと感想
3話目にして春臣サイドの心の動きがわかります。
「まことしやかに舞う花は」は、コミックシーモアに無料会員登録をすると「毎日無料」のコーナーから3話まで無料で読むことができます。ぜひご登録を♬
友達に戻るくらいなら…
颯太朗からあの日のことを謝られた春臣。颯太朗はずっと春臣の踊りが好きだったと言います。
しかし、颯太朗があの日言ってしまった「嫌いだ」という言葉、あの日のケンカ、そんなことよりもっともっと苦しい気持ちがずっと春臣の心を支配していました。それは、颯太朗のことを好きだということ。
同性愛を貫くのがむずかしい時代、結ばれないくらいならいっそのこと颯太朗のことを忘れてしまいたいと春臣は思っているのです。
好きという気持ちが報われない状況で、ずっとそばにいるのはとてもつらいことです。だっていつか相手に恋人ができたとき、近くでそれを喜んであげなきゃいけないわけです。無理…。
春臣は、ずっと口を聞いてこなかった自分のことを颯太朗は許すつもりなのか、と考えます。結ばれないなら許さないでほしい、嫌いになってほしいということなのでしょう。切ねぇっっ!
颯太朗と婚約者
昭和15年、「ダンス禁止令」が出されていました。あれから一年、衰退の一途を辿るダンスホールがとうとう閉鎖することに。最後にパーティが行われるとのことで、春臣は知人の女性に一緒に行こうと誘われました。
ダンス禁止令の時期と漫画の時代が交差している!!こういうふうに、現実が絡んでくるストーリー好きです。
そしてパーティの日、日本舞踊の師である春臣も社交ダンスは専門外なので、女性の足を踏みまくるというひどいダンスを踊るのでした。そこへ同じく女性ときていた颯太朗と槙野。槙野の計らいで、二人で少し話をすることに。
なんと、颯太朗と一緒に踊っていた女性は婚約者でした。この時代の御曹司ですから当たり前に婚約者がいますね…。これが見たくなかったんだよね、春臣は😞
だけど離れていても結局颯太朗を忘れることはできなかったわけで…この現実にはとことん向き合うしかないのです…。
空襲
いつものように生徒たちに稽古をつけ終わる時間、ゴォォォと轟音が鳴り響きます。アメリカの戦闘機です…。
昭和16年といえば、日本が真珠湾攻撃をした年です。颯太朗が帰国してからしばらく経っていることを考えると、これは日本が初めて受けた空襲「ドーリットル空襲」でしょうか。
逃げ惑う人々。そこへ春臣を心配した颯太朗が駆けつけました。
颯太朗は、戦闘機が春臣の家の方に向かったから心配で来たと言いますが、春臣は婚約者の方に行くべきだと言います。報われないのに優しくされるのが一番キツイですよね…。
しかし颯太朗の考えは、「婚約者ではなく愛する人と結ばれたい、自分で相手を決めたい」というこの時代にそぐわないものでした。複雑な気持ちの春臣…。
婚約者であっても、愛する人であっても、どちらにせよそれは春臣ではありません。BL的展開を考えれば、現時点で颯太朗も春臣のことを恋愛の意味で好きなはずなのですが、本当にそんなそぶりはまったくないのでこの先の展開がどうなるのか想像がつきません!
いや、待てよ?? 落下物から身を守るために春臣を抱きしめたり、自分の意思で春臣のところに来たというのは「好き」という意味なんか?? 登場人物が赤面しない。それだけで不安になる。w
「まことしやかに舞う花は(3話)」の全体の感想
春臣の恋しさ
春臣のせつなさ
春臣の心強さ
ストーリー展開がちょっと…とか言って
本当にすみませんでした!!
ダンス禁止も、空襲も、実際の歴史とリンクしていてとてもリアリティがあります!!この時代に生きた人の気持ち、好きな人に好きだと言うことがとてもむずかしかった時代の人の心の動き。とても切なくやるせないです!
戦争が始まってしまって、二人が結ばれるのはより困難になってしまったのではないでしょうか。それとも死がいつも隣り合わせになることで気持ちを打ち明けるきっかけが生まれる?(え、もしかしてだけど死別はないよね??)
続きが気になる「まことしやかに舞う花は 4話」も一緒に読んでいきましょ〜♬